吉見一起投手引退特設ページ

2020年度のナゴヤドーム最終戦が吉見投手のラスト登板となりました。

「ピッチャー・吉見」とコールされ一礼をしてからマウンドへ、ヤクルトの山崎選手と対戦し、1ボール2ストライクからの4球目、最後は138キロのストレートで空振り三振を奪います。

投げ終えるとナイン一人一人と握手を交わし、ヤクルト森岡コーチと大野雄投手から花束を受け取りました。
最後はプレートをきれいにならしてからマウンドを降り15年のプロ野球人生に幕を下ろしました。

CEREMONYセレモニー

吉見一起投手 引退セレモニーあいさつ

本日は、このような場を設けていただき本当にありがとうございます。
また、世の中がこんなに大変な状況の中で、野球ができていることに感謝しています。

ドラゴンズに入団してたくさんの出会いがありました。
この世界の道を導いていただき、プロ野球の厳しさを教えてくださった落合さん。
入団してすぐに僕がこの世界で生きる道を示してくださった森さん。
打たれても俺の責任だからと、そのかわり考えて低く投げてこいと言っていただき、僕をリードしていただいた谷繁さん。
ピンチの時などマウンドに来てくださり、いろいろなアドバイスをいただいたり、俺のところに打たせて来いゲッツーとるからと僕を鼓舞してくれた先輩方。
何度も怪我をしても今日まで投げれる身体にしてくださったトレーナーの皆さん、トレーニングコーチの皆さん。
いつも的確にアドバイスをくださるブルペンキャッチャーの皆さん。
たくさんの人と出会って、僕は今日ここに立つことができています、ありがとうございます。

そして何より妻と出会えたこと、妻なしでは今の僕は間違いなくありません。
わがままな僕、自分勝手な僕、常に僕を優先して支えてくれました。
僕以上に苦労があったんじゃないかと感じています。そして3人の子どもも生んでくれました、本当に感謝です、ありがとう。

選手の皆さん、ドラゴンズは強いです。もっともっと強くなると思います。
いつ終わるかわからない人生、一日一日を大事にして、後悔のないように、今年独走したジャイアンツを倒して、優勝して与田監督を男にしてください。
必ずできると思います。期待しています。

ドラゴンズファンの皆さん、今日まで僕を応援してただきありがとうございました。
投げるときは恐怖感いっぱいで、マウンドに上がるのが怖かったです。
ただ、マウンドに上がるときの声援、僕の背中を押してくれました、ありがとうございます。

これからドラゴンズは強くなっていきます。
チームの力だけでは、優勝できません。ファンの皆さんの応援があってチームに伝わり、選手が頑張り勝利に結び付くと思います。
これからもドラゴンズの応援をよろしくお願いします。

最後になりますが、15年間幸せなプロ野球人生でした。
本当にありがとうございました。
そして、野球の神様ありがとう。


INTERVIEWインタビュー

11月1日に今季で現役を引退することを発表した吉見一起投手の会見が11月5日にナゴヤドームで行われました。

吉見投手は2005年、金光大阪高、トヨタ自動車を経て大学・社会人ドラフト希望枠でドラゴンズへ入団、1年目の2006年9月10日の広島戦(広島)でプロ初登板、8回2死から登板し試合終了まで打者4人で打ち取ります。同年9月18日の横浜戦(横浜)でプロ初先発、5回を投げ4安打2失点の投球でプロ初勝利。

2008年4月6日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)では138球を投げ4安打無失点に抑えて初完投初完封勝利、同年は10勝を挙げ初の二桁勝利を達成すると、2012年まで5年連続で二桁勝利を挙げました。

精密機械の異名を持ち、卓越した制球力で2009年に初のタイトル、最多勝利(16勝)に輝くと、2011年には最高勝率(.857)、最優秀防御率(1.65)、最多勝利(18勝)、ベストナイン、最優秀投手と数々のタイトルを獲得し球団初のリーグ連覇に大きく貢献しました。

通算成績は223試合に登板、90勝56敗防御率2.94で15年間の現役生活に別れを告げました。

吉見投手のコメント

今年をもちましてプロ野球生活を引退したいと思います。いろいろな思いはありましたが引退ということを決めました。
15年間でしたが、いい思いもでき、苦しい思いもしましたが幸せな15年間だったと思います。
今までありがとうございました、お世話になりました。

引退に至った理由は―
自分の立ち位置、1軍に上がれない葛藤、そういったものすべて客観的に見つめ直して、まだ現役をやりたい気持ちはありましたが、来年仮に続けたとしても同じことを繰り返すかなと自分の中で判断して、それであれば次の道へ早く進もうと思い決断しました。

誰かに相談はしましたか―
妻と二人で1か月くらい相談して決めました、何度も今年だめだったら終わりと言っていたので、いつやめてもいいように、後悔しないようにやった方がいいと言われていました。
伝えたときには「わかった」と一言でした。長男も小学5年生、野球のことも理解してますし「そうなんだ」と言ってましたが、寂しそうな顔をしていたと思います。

引退をすることに悔いは―
悔いはないです、ただ後悔はあります。
振り返ればたくさんありますが、もっと練習しておけばよかったとか、あの場面でなぜあれを選択したのかなとか、言えばきりがないですが、振り返れば、ああしておけばよかったなという後悔はあります。 あとはケガです、ケガをした時にそこでストップしておけばよかった。
多少無理をしても二桁勝ちたい、継続したいという気持ちがあった分無理をしてしまった。
ストップしていれば違う人生だったかもしれませんが、ただ、これも人生なのでそれは自分で受け入れています。

自信になった言葉は―
僕が1軍で投げ始めた頃、誰とではなく一人一人からかけていただける言葉がありがたくて、その中で当時の森コーチ、谷繁さんから「お前がこの世界で生きて行く道はストライクゾーンの低めで勝負しないといけない、ゴロヒット、ゴロアウトはOK、フライアウト、フライヒットはお前の責任」と言われた。
自分ではそんなにコントロールがいいとは思わないですが、試合で120球投げても決まるのはほんの数球ですし。
コントロールで生きていこうと決めた中で、かけひきだったり、空気を読んだり、目に見えない対戦がある、それが上達したというか、自分のものになっていったのはコントロールを意識してからだと思います。

信条としてきたもの―
コントロール、ゲームの空気を読む、18.44の中の空気を読むというのは、決して早いボールがあるわけでもなく、すごい変化球があるわけでもないので、そこはこだわってきました。
当時最高の仲間がいた、打ってくれる仲間、助けてくれる仲間、使ってくれる指導者、中でも大きいと感じるの谷繁さんの存在、野球を一から教えていただいた、質問にもしっかり教えていただける谷繁さんがいなかったら僕の白星はこんなになかったと思います。

今後のドラゴンズ投手陣に期待すること―
ドラゴンズは強いです、今、本当に強くなっている段階だと思います。
勝ち方を知ればもっと勝てると思うし、もっと簡単に勝てると思います。
ただ勝つだけではなく僕が思うのは、もっともっと自分を知ってもらいたい、自分を知って何をしなくちゃいけないか、何をするべきかというものがわかれば、もっともっと成長できるので、いい所は続けて、余裕があれば自分を知るということに興味を持ってもらいたい。

どんなプロ野球生活でしたか―
てっぺんも見れて、底辺も見れて本当に貴重な、ずっと活躍できることがいいのですが、両方見ることができたのは今後の人生に生きると思いますし、野球以外でも生きると思います。
15年が長いのか短いのかわかりませんが、入団した時にエース川上さんがいて、150キロ近く投げる投手がいて、えらい所に来てしまったというのがはじめの印象です、その中でよく15年もでき、90勝することもできていい野球人生だったと思います。

応援してくれたファンへ―
いい時も、悪いときも温かい声援を送っていただきました。ファンがいないと、お客さんがいるのといないのとでは全然違います、ファンの皆さんの声援があって僕たちは100%以上の力を出せると思います。
温かい声援を送っていただいて本当にありがとうございました。

PROFILEプロフィール

年度別投手成績

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2006 中日 4 0 1 2 0 0 1 0 0 0 1.000 53 48 13.1 10 1 3 10 4 4 2.70
2007 中日 5 0 1 4 0 0 0 1 0 0 .000 74 63 14.2 25 5 7 14 14 12 7.36
2008 中日 35 3 2 11 2 0 10 3 0 10 .769 476 439 114.1 118 11 29 82 46 41 3.23
2009 中日 27 5 0 20 4 3 16 7 0 1 .696 750 692 189.1 166 10 36 147 52 42 2.00
2010 中日 25 1 0 24 1 0 12 9 0 0 .571 659 612 156.2 159 19 30 115 67 61 3.50
2011 中日 26 5 0 20 3 3 18 3 0 0 .857 734 681 190.2 143 8 27 120 38 35 1.65
2012 中日 19 6 0 13 2 3 13 4 0 0 .765 529 504 138.2 121 5 13 76 28 27 1.75
2013 中日 6 0 0 6 0 0 1 4 0 0 .200 157 141 36.1 40 5 10 29 19 19 4.71
2014 中日 3 0 0 3 0 0 0 1 0 0 .000 62 58 15 16 4 2 6 8 7 4.20
2015 中日 8 0 0 8 0 0 3 0 0 0 1.000 186 170 48 34 0 13 39 5 5 0.94
2016 中日 21 1 0 20 0 0 6 7 0 0 .462 535 499 131.1 134 11 27 81 49 45 3.08
2017 中日 14 0 0 14 0 0 3 7 0 0 .300 334 314 75.2 93 8 15 38 49 44 5.23
2018 中日 20 1 0 19 1 1 5 7 0 0 .417 516 477 125.2 136 15 28 61 54 54 3.87
2019 中日 5 0 0 5 0 0 1 1 0 0 .500 96 89 19.2 30 0 6 17 14 14 6.41
2020 中日 5 0 0 5 0 0 1 2 0 0 .333 77 71 17.2 21 6 5 10 11 11 5.60
通算 15年 223 22 4 174 13 10 90 56 0 11 .616 5238 4858 1287 1246 108 251 845 458 421 2.94

HISTORY軌跡

2005SEASON

大学・社会人ドラフト希望枠で
ドラゴンズ入団

2006SEASON

9月10日広島戦(広島)

プロ初登板

    

9月18日横浜戦(横浜)

プロ初先発・プロ初勝利

2008SEASON

4月6日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)

初完投初完封勝利
この年10勝を挙げ初の二桁勝利達成

2009SEASON

10月3日横浜戦(横浜)

16勝目を挙げ最多勝利投手を受賞

2010SEASON

3月26日広島戦(ナゴヤドーム)

初の開幕投手(6回2失点で敗戦投手)

    

自身2度目となるリーグ優勝に貢献

2011SEASON

月間MVP(9月度)初受賞

    

球団初のリーグ連覇に貢献

    

最高勝率投手(.857)、
最優秀防御率投手(1.65)、
最多勝利投手(18勝)、
ベストナイン、
最優秀投手のタイトルを獲得

2012SEASON

3月30日広島戦(ナゴヤドーム)

2度目の開幕投手となり勝利(8回2失点)

2013SEASON

3月29日横浜DeNA戦(ナゴヤドーム)

2年連続開幕投手(7回1失点で勝ち負けつかず)

2015SEASON

4月1日巨人戦(ナゴヤドーム)

6回を2安打無失点に抑え946日ぶりの勝利

2016SEASON

21試合に登板し
6勝を挙げるなど
復活への期待も高まる
(8月31日阪神戦(ナゴヤドーム)6勝目)

2020SEASON

6月27日広島戦(ナゴヤドーム)

今季初勝利、現役最後の勝利

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11月6日の練習中に選手・スタッフ、チーム全員が着用していたTシャツです。

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