山井大介投手引退会見
9月30日に今シーズン限りでの引退を表明した山井投手の会見が本日(10月7日)に行われました。
山井大介投手のコメント
本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。
私、中日ドラゴンズ山井大介は今シーズンをもって現役を引退することを決意いたしましたので、皆さんにご報告させていただきます。
特にファンの皆さまには感謝の言葉しかありません。
20年間本当にありがとうございました。
引退に至った経緯は
9月末に球団と今季限りでという話をしました。
そこではありがとうございましたとは言えず、その理由としては翌日が先発で自分の中の最後の試合があって、ファームのコーチにも1年間ローテーションを組んでもらっていたので、その感謝の気持ちもこめて最後までしっかり投げないといけない、そこまではしっかりやろうと思っていました。
もし、万が一、自分の中で来年もどこかでという気持ちがあった時は、投げている時に何か力が湧いてくるのかなと思いましたが、なかなかそういう気持ちにもならず、エンジンもかかってこず、一球一球噛み締めながら、もう終わりかなという気持ちで投げていました。
誰かに相談するということもなく、ある程度覚悟をしてやってきたので、家族や両親に相談することなく自分で判断して、やめますと球団に伝えました。
どんな思いで今年は投げていたか
もちろん開幕した時から一軍で投げるぞと、そういう気持ちでキャンプから過ごしてきましたが、なかなかチャンスを貰うことができなかった、というよりも一軍で投げている選手たちがしっかり結果を残していたので、自分が入る所がなかったと思います。
ただ1回のチャンスはいつかくるやろという気持ちで投げていましたが、20年目にしてプロの厳しさを改めて教わったというか、苦しいこと辛いこと、楽しいことばっかりではないというのを感じた1年でした。
でもこの1年は自分にとって、辛くてしんどい1年でしたけど、今後の僕の人生に必ず役にたてるというか、自分の財産になる1年だったなと思っています。
引退を決断して今思うこと
たくさんの人に支えてもらったなと感じています。引退を決めてから報道されるまでに3日間いただき、お礼を電話でさせてもらった方や、メールでさせてもらった方もいます。
僕の連絡不足もあって遅れた方もいますが、20年間、野球を始めてから今までたくさんの人にお世話になったと思います。
いろんな方々が携わってくれたと思いますが、本当に自分一人では何もできなかった。
感謝の気持ちしかない。今になって皆様のありがたさを痛感しています。
プロとしての投手人生というのは
プロ1年目のキャンプからケガをして、そこからのスタート。
ケガあり、投げれているのにもかかわらず一軍に上がれない悔しさ、投げれば打たれる、時には皆さんの記憶にも残るピッチングにもなったこともありますが、これが山井大介のピッチングだったなと思います。
どう表現したらいいかわかりませんが、山あり谷ありの人生、本当に二重丸、花丸をあげたいなと思うくらい山井らしい生活が送れたなと思います。
印象に残っている監督は
もう全員です。この監督というより6人の監督にお世話になりましたが、いろんなことを教えていただき、優勝経験もさせていただきましたし、Bクラスも経験してこの方とは決められない。
入団をした時の山田監督、優勝経験させてくれた落合監督、情熱を教えてくれた高木監督、野球の厳しさを教えてくれた谷繁監督、人間味のある森監督、勝利にこだわる与田監督、たくさんの人にプロ野球というものを教えてもらったなと思います。
日本シリーズの完全リレーを振り返って
僕がプロに入ってからユニホームを着て、満足するということは一切ありませんでした。
プロに入って優勝することをいつも思ってやっていた。そこに向けてやってきたことがあの1試合になって、結果的に岩瀬さんと完全リレーができた。そこには野手の方がいれば監督、コーチ、スタッフ皆さんがいて、それよりも多くのファンの皆さんが背中を押してくれたことであの一瞬が生まれたと思います。
あの試合に関してはドラゴンズファン、テレビで見ていた方、現地で見ていた方、一緒にあの瞬間を味わえた、それだけ素晴らしい、忘れることのできない一日、1試合です。
今のドラゴンズに感じること
今年1年間、僕も一軍昇格を目指してやってきました。
なかなか思うようにいかない1年でしたが、その中で若い選手たちの力というのを感じた所でもある、その選手たちがもっともっと上を目指してほしい、何か今年は少しだけ、選手たちがここでいいと感じてしまった所が少しだけあります。
そうなってほしくなく、一軍の選手をもっと脅かすようになってほしいし、仲良しこよしでいるなよ、という感じもちょっと思いました。僕が年をとってそういうふうに感じるのかもしれませんが、強い時のドラゴンズのようにもっと熱くなってほしいなと思います。
ファンの皆さんへメッセージを
感謝、ありがとうございます。その一言しかないです。
マウンドの上に行くのが怖い時もありましたし、マウンドの上に立って、ファンの皆さんの大きな声援が背中を押してくれて、一生懸命頑張れよというメッセージをたくさん受けました。
その声援がなければここまでプレーできることはなかったと思います。20年間もやれたことは球団にも感謝をしています。
ファンにも本当に感謝をしています。ありがとうございました、その一言です。