田島慎二投手が引退

2024/9/22

中継ぎ投手として活躍し「タジ魔神」の愛称で親しまれた田島慎二投手が今シーズン限りで現役を引退することを決め、9月22日にバンテリンドーム ナゴヤで引退会見が行われました。

田島投手のコメント

本日はお集まりいただきありがとうございます。
私、田島慎二は今シーズンをもって現役を引退することを決意しましたので皆さまにご報告させていただきます。
13年間お世話になりました。ありがとうございました。

引退を決め今の気持ちは
自分らしく13年間やれたかなと思っているので、引退を決めたことに関してはすっきりしています。

引退を決めた経緯は
今年、シーズンが始まる前から自分自身にとって勝負の年になると、春からやってきた中で開幕一軍を逃し、それでも折れずにファームでやってきましたが一軍のあの試合ですね。
阪神戦でアウトを一つも取れずに抹消になった、僕の中で少し心折れたというか、やめなきゃいけないのかなという気持ちになった試合ではありました。

家族に引退を告げたのは
その試合の後に妻の方にはこんな結果じゃ今年で終わるだろうなと、そういうニュアンスの話をしていたのですが、まだシーズンは続いていたので、やるべきことはやって今後どうなるのかなと。
8月末に加藤本部長の方から来シーズンの契約に関しての話もあったので、僕自身ある程度引退という気持ちは固まっていました。
その時に家族へ球団からの話を伝えたら、十分じゃないかという話になりました。

チームメイトの反応は
最初に伝えたのは大野さんと祖父江さん、連絡したら察するだろうと思って、手土産を持ってくから、貰い物があるから家まで届けるよと嘘をついて・・・
あの二人には電話じゃなく直接伝えなきゃいけない、大野さんからはそういう時期が来たなと、でもまだあるから「お疲れさん」というのは最後まで言わずにとっとくと。
ソブさんからは「俺もまだ今年わからないけどなー」と笑い話で済んだのですが、ソブさんは絶対大丈夫、あのおじさん元気だし、まだまだいけるぞと、僕の代わりに頑張ってほしいという気持ちを伝えました。

ドラフトから13年という時間は
指名された瞬間というのは、まさか野球選手になれるとは思っていなかったので、野球チーム、部活で一緒に練習をしてきたメンバーはもちろん、子どもの頃から父親が付きっきりで練習をしてくれ、家族の生活も野球が中心に回ってしまっていたので、この瞬間は本当に報われたなと、あんなに嬉しかった瞬間はなかったです。

地元のチームドラゴンズ一筋、特に印象に残っている試合は
プロ初登板が覚えているというか、思い出深いじゃないですけれど、初登板初球でサインミスをしてキャッチャーの谷繁さんにガッと睨まれたのをすごく覚えています。
マウンドに上がった時にここから始まるなと、プロ野球人生のスタートを切ったということを覚えています。
もう一つはリハビリ開け、マツダのマウンドです。初めてあんなに緊張したかもしれない、投げ終わった後に投球内容を思い出せないくらい、すごく緊張して投げたのを覚えています。

2016年の開幕から31試合連続無失点はプロ野球記録
あの年は本当に自分がある程度狙ったことができた年だったのかなと。
結果的にこの年がピークの内容になってしまったかもしれませんが、オフシーズンからやってきたことが形になった年だったと思います。
あと記録は周りの人に助けられて達成することができたと、野手に守ってもらい、僕が残したランナーも岩瀬さんに抑えてもらったこともありました、本当に助け合ってやれているんだというのを感じました。

リハビリの時期を振り返ると
手術をすると決めてからは1年、1年半は復帰に時間がかかると言われていたので、僕の性格かもしれないですけれど、パッと諦めがついて、リハビリが苦しいとか辛いということがなく、日に日に、1週間ずつ良くなっていくのが楽しくて。
野球を見るのが嫌になったということもなかったですし、むしろ客観的に一軍の試合が見えたりして勉強になった1年だった、自分にとってプラスになったかなと思います。

後輩たちに伝えたいメッセージは
後輩たちにとって僕はそんなにいい先輩じゃなかったと思う、めちゃめちゃ練習するわけでもなく、研究熱心というわけでもないと思う、どちらかというと今の若い子たちの方がいろいろ調べて練習に取り組んでいる、僕が見習わなきゃいけないぐらい。
引退すると決めて、僕自身がすっきりできているというのは最初から最後まで自分らしくできたという所だと思う。
やりたい時にやりたいことやるじゃないですけれど、変なストレスなくというか、毎日気持ちよく野球ができたのはそこかなと思っているので、後輩たちには自分がやると決めたこと、やりたいと思うことをどんどん取り組んでいってもらって、最後辞める時に自分が決めたことやってきて良かったなと思えるように、日々取り組んでもらえたらと思います。

来年以降どんな形で野球に関わっていきたいか
プロに入ってからの13年間、その前からも本当にいろいろな人たちとの出会いがあって、その人たちのおかげでここまでできました、これからの人生でもその人たちにきっと助けてもらいながら、アドバイスをもらいながら生きていく人生だと思います。
もちろん野球を通じて恩返しということができたらいいと思うのですが、支えてもらった方々に感謝が伝えられるように、野球のいい所をもっとアピールできるようにやっていきたい。

引退セレモニーでは
やらせてもらえるという話をいただきましたが、皆の前で話すというのが得意じゃないですし、打者一人でも1イニングでも多く現役で続ける子たちが試合で投げるべきという気持ちもありましたが、親に引退を報告した時にセレモニーをしてもらえるみたいだけど迷っていると話をしたら、やってくれと、最後の晴れ舞台を見せてくれという事だったので、両親への感謝の気持ちと今まで応援していただいたファンの方々の前で最後に自分らしく腕を振って投げたいなと思います。

ドラゴンズファンへメッセージを
本当にドラゴンズファンの声援はすごくて、僕自身も子供の頃何度もナゴヤドームに来て応援席でメガホンを叩いて一緒になって応援歌を歌っていました。
まさか自分がグラウンドに立つ立場になって応援がこんなに力になるとは思いませんでした。
13年間やって来られたのはファンの方々のおかげだと思います。本当に感謝を伝えたいと思います。ありがとうございました。